JFCネットワークは、日本人とフィリピン人の間に生まれた子どもたち(Japanese-Filipino Children:JFC)を支援するNPOです。

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国籍確認訴訟ニュース2013.01.26

国籍確認訴訟の控訴審判決について

去る122日、国籍確認訴訟の控訴審判決がありました。

 この裁判は、日本人父とフィリピン人母の婚内子としてフィリピンで生まれた子どもらが、「外国で生まれた日本国民で外国籍を取得した者は、出生後3ヶ月以内に国籍留保の届出をしないと日本国籍を失う」と規定した国籍法12条によって日本国籍を喪失させられたのは憲法違反である、と主張して、日本国籍を有することの確認を求めた事件です。

  一審は、原告らの請求を棄却し、控訴審判決の判断が注目されていましたが、残念ながら、控訴審も一審判決を支持し、原告らの請求を棄却しました。 しかも、憲法違反との原告らの主張を否定した理由について、控訴審判決は、「一審判決が述べている通りである」とするのみで、自らは一言も憲法判断に触れていません。 憲法に関する問題で、しかも国籍という非常に重要な事柄に関する事件なのに、自らの言葉で合憲・違憲についての考えを語り、当事者を説得しようという姿勢が全く見られません。 こんな裁判所、本当に必要なのか、と思ってしまう、まさに司法の役割を放棄したとしかいえない判決です。

  唯一、原告の1人について控訴審で新たに行った、「大使館に相談に行った際に、3ヶ月以内に国籍留保届をしないと日本国籍を喪失する、という説明を受けなかったため、国籍を喪失した」という主張についても、一審で主張できたはずなのに主張しなかったことを不利益に捉え、しかも法律を知らないのは本人や親の 責任であって、大使館の職員は3ヶ月以内に届け出る必要があることを告げているのだから、何ら問題はない」として切り捨てました。

 もちろん、原告たちは最高裁で戦う決意をしています。

今後とも、ご支援よろしくお願いします。

 弁護士 近藤博徳