JFCネットワークは、日本人とフィリピン人の間に生まれた子どもたち(Japanese-Filipino Children:JFC)を支援するNPOです。

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国籍確認訴訟ニュース2024.09.30

「明日の法律家講座」で講演をしてきました♪

2024年9月28日(土)18:30~伊藤塾にて弁護士の近藤博徳先生とJFCネットワーク事務局長の伊藤里枝子が「明日の法律家講座」で講演をしてきました。

講義の内容は;
①JFCネットワークと弁護士との協同により獲得した「国籍確認訴訟判決」を題材に
②NPO/NGOと弁護士が協同の意義と、これからの弁護士に期待される役割
でした。

まず伊藤から
①JFCとは何か?
②JFCネットワークの活動について
③国籍確認訴訟における原告との活動
④NPOにとっての弁護士との連携の意味

その後、近藤弁護士から
①弁護士にとってのNPOとの連携の意味
②国籍法違憲判決の検討
が話されました。

国籍確認訴訟の違憲判決を得てから15年が経ちますが、近藤弁護士からの判決の「検討」を聞いてみる機会はとても有意義でした。

特に、「立法目的とその達成手段の合理的関連性の有無」の話は面白かったです。この判決で最高裁が「合理的関連性の基準」の採用を明言した最初の判決ではないだろうか、ということでした。そして、その「合理的関連性」とはなにか、ということを検討しました。

立法目的とその達成手段である差別的取扱いに合理的関連性がある、とはどういうことかを考えるのは、実務において憲法14条1項違反を主張する場合にこの判断指標は非常に重要だとし、昭和48年4月4日に最高裁判決が出た「尊属殺重罰規定違憲判決」との比較で検討しました。朝の連続テレビ小説「寅の翼」でもちょうどこの最高裁判決が取り上げられていましたね!

2つの判決の考え方を検討すると、「有用であっても、必要な限度を超え、過剰な場合には、「合理的関連性がない」とされていることから、差別的取扱いによって制限される権利利益が存在するから、その制限は必要な限度に留められるべき、という発想があるのではないか」ということでした。

最後の質疑応答の時間で「物事を掘り下げて考えるというのはどういうことか」と質問が出されました。これに対して、近藤弁護士が答えた正確な答えは忘れてしまいましたが💦、「裁判官の書かれた「判決」は一句一句にとても想いが込められています。なぜ、「この言葉を敢えてここで選んだのか」ということをひとつ一つ丁寧に考えていくことでより問題点の理解と解明につながります。だから法律は面白い」というようなことをおっしゃっていました。

JFCネットワークの活動は、弁護士との協同なくして成り立ちません。NPOとしての役割は、弁護士がJFCの権利行使のために裁判手続きを進める中、JFCネットワークは法的支援が円滑に進むために、クライアントである母子へ
①ソーシャルワーク的アプローチを担う
②言語障壁のために権利行使に支障がでないよう翻訳・通訳業務を担う
③現地方や手続きについての知識を提供し
④法的問題以外の問題に対処
することです。

いわゆる「外国人事件」は手間も時間も非常にかかり、想像もしない難題にぶちあたることは日常茶飯事ですが、一つひとつの難題に多くの法律家の方々と知恵を絞って問題解決に臨んでいくことは楽しいです。