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2013.10.22
JFCよしみさんのささやかな送別会をしました
父に会え、フィリピンに帰り勉強を続けることを決心したJFCよしみさんのささやかな送別会をしました。
ケースワーカーのエスピーがパンシットとアドボを作ってきてくれました。よしみさんは内緒でピザをオーダーしてくれてスタッフ一同感激の涙でした。
ご両親は結婚しフィリピンに生まれながら日本国籍もあるよしみさんですが、母は日本で新しい家族と暮らし、よしみさんはフィリピンの祖父に育てられていました。生まれてから一度も父に会ったことがないよしみさんは「父に会わない限りすべてのことが手につかない」という強い思いを抱え来日しました。
父にはすでに新しい家族があり、こちらからの手紙には返事を下さらず父に会うことは容易ではありませんでした。東京からとても遠方の地方に暮らすお父さんだったのですが、よしみさんは訪れることを決心しました。
父に拒否される可能性は高く、よしみさんが傷つくのを恐れた私たちはよしみさんの決心に初めは躊躇しました。しかし、「父を知る」ことは今後のよしみさんのためには大切なことで、たとえ拒否されたとしても、それを受け入れ乗り越え、よしみさんの人生を生きていって欲しいと願う気持ちから私たちはよしみさんの決心を応援することにしました。
ボランティアさんの協力を得て、東京から5時間かけてよしみさんの父の暮らす地方へ向かいました。父の自宅を訪問し、父に会えましたが、よしみさんに会うことを拒否されました。ボランティアさんの熱心な説得のおかげで、ようやく会うことに応じてくれ、よしみさんは20歳にしてようやく父との面会を果たしました。
父は生まれてはじめて会う娘を前に無表情で立ちつくし「何もできないよ」とボソッと言いました。よしみさんが「抱きしめていいですか?」と尋ねると、無表情のまま首を縦に振った父親でした。「忘れたことはなかったよ」。よしみさんに抱きしめられて父はそう言ったそうです。
その後のよしみさんはとても明るくなったように感じます。日本語の勉強もとても一生懸命で見違えるように上達しました。フィリピンにいたときはすべてのことにやる気がでず、学業もおろそかにしていたとのことですが、さんざん悩んだ結果、よしみさんはフィリピンに帰り、大学に戻り勉強をし直すことを決心しました。
ボランティアとしても熱心に足を運んでくれたよしみさん。スタッフ一同、心から応援しています。あなたに会えてよかった。がんばれ!